
ちょっとマイナーなことを調べていると検索結果に出てくることのある「Any百科事典」というWikipediaのようなサイトがあります。
一見、日本語で書かれておりWiki系の辞書サイトのように見えますが、日本語が変だったりデザインが崩れていたりとちょっと不安になる要素もありました。
そんな「Any百科事典」というサイトについて、日本語での情報が見当たらなかったので調べてみました。
結論から言うと、“韓国のWikiサイトを機械的に日本語に翻訳したサイト”でした。
アクセスすることによる危険性なども特になさそうでした。
「Any百科事典」とは?

簡素なトップページには、以下のようなことが書かれています。
ちょっと変わった百科事典、Any百科事典へようこそ!
Any百科事典は、他の百科事典では扱われない対象やテーマ、分野についてできるだけ多くの情報を整理·共有することを目標としている百科事典です。
トップページより
それだけに、テーマや情報が非常に多様で豊富です。 今現在も数え切れないほど多くの対象、分野に対する情報を共有しています。 今後もより多くの情報を新たに追加していく予定です!
トップにもある通り、自分で“ちょっと変わった百科事典”と名乗っています。
そのトップページに一応検索欄はあるのですが、こちらはGoogle検索をそのまま使用しているようで、サイト側自体に検索機能はないようでした。
ちなみに、空欄のまま何も入力しなくても「site:any.atsit.in」で記事全部が検索されます。
サイトの内容として、記事を見ていくと、百科事典を名乗るだけあって様々なものについての記事があります。
ただ、どの記事も元の韓国語の記事を日本語に翻訳したものであるため、ところどころ文章に変な部分が見られました。
画像ファイルなども表示されず、書かれたURL等を選択してもトップページへリンクされているために、ほとんど字だけの記事です。
カテゴリや脚注のリンクもほとんどトップページへのリンクになっている(?)ため、違う記事への移動ができないことが多く、使い勝手はあまりよくない印象を受けました。
(※記事のない単語にもリンクが張られておりそれがトップに繋がっているだけっぽいです)
後述しますが、韓国のWikiサイトの記事(文章)が翻訳元になっているため、文章自体は翻訳の問題でちょっと変ですがWikipediaなどに載っていない情報が書かれている記事も多数ありました。
内容としては、Wikipediaほど硬くない、ピクシブ百科事典のような感じの雰囲気の文章になっていて、少々読みづらい点を我慢すれば、知らなかった情報や、意外な情報を知ることができるかもしれません。
ちなみに、記事中に“国内”とあった場合は注釈などがない場合韓国のことを指しています。
(元が韓国の文章の為)
それ以外にもあくまでベースは韓国基準なのでそのあたりは注意が必要です。
どこが運営している?

実態は調べてもほとんど情報がなく詳細不明でしたが、どうやら韓国のどこかで運営しているサイトのようです。
実際、ドメインは調べてみると韓国で取得されたものでした。
日本語では全く情報が見つけられませんでしたが、韓国のWikiサイト(librewiki)によると、このサイトは韓国の2つのWikiのデータをフォークした(派生した=複製して日本語化した)ものであるようです。
ちなみに元になったWikiのうちの1つ「リグヴェーダウィキ」(리그베다 위키)は色々問題があったようで2023年に閉鎖されています。
もう一つは「木のwiki」(※Any百科事典での表記/ナムウィキ・나무위키)で、主にこちらの記事が翻訳元になっているようです。
なぜ日本語版を作成したのかや、今でも更新されているかどうかまではわかりませんでしたが、人物などの記事(年齢)を見る限り、2020年頃の記事がほとんどのようです。
トップページなどを探してもこのサイトの運営情報を見れるところがなく、色々と謎の多いサイトです。
Wiki風ですがあくまで翻訳元のサイトがそうであっただけで、編集機能などはありません。
そのため、完全に見る専門のサイトとなっています。
結論として、どこがどのような目的で運営しているのか?という情報は調べてもわかりませんでした。
「Any百科事典」はアクセスしても大丈夫?

調べてみましたが、特にウィルス等の閲覧するにあたり危険な要素は見当たりませんでした。
よくある広告のバナーなども特にないようです。
ちょっと怪しい日本語なので警戒してしまいますが、少し記事を読んでみた限り、外部サイトへのリンクなどもありませんでした。
(外部リンクも一部を除きほとんどはトップページのリンクにされているようでした)
うっかり変なリンクを押してしまってもトップに戻るだけなのである意味安心(?)設計です。
※使用しているブラウザやリダイレクト系のプラグインを入れているなど、環境次第ではもしかすると外部サイトにリンクしてしまう可能性もあります。
まとめ

ここまで、「Any百科事典」というサイトについて調べてみた結果を書いてみました。
一見、なんだか崩れたレイアウトになっていることが多く、ちょっと怪しい雰囲気がありますが、原因はおそらく機械的に日本語訳をしただけで、その後人の手で手直しをしていないことに由来すると思います。
一見Wikiサイト風ですが、編集機能などもなく、閲覧のみの機能しかありません。
意外とマイナーな内容の記事もあり、もしかすると日本のサイトでは見つけられなかった思いがけない情報を見つけられるかもしれません。
元々がラフな雰囲気で記事が作られているらしく、ツッコミや打ち消し線なども入った文章になっているので、珍妙な翻訳も多いですがちょっと笑える読み物として楽しむのもありだと思います。
変な日本語や意味の通らない部分に目を瞑れば割と読んでいて面白いので、気になった方はぜひ見てみてはいかがでしょうか?